2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700068
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
玉造 潤史 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (90322049)
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Keywords | イーサネット / TCP/IP / 通信速度コントロール |
Research Abstract |
本年度は10Gbpsネットワークでの詳細な計測を行いネットワークドライバに協調するTCP/IPスタックの開発を行った。 1、カーネルドライバを用いての実ネットワーク上でのパフォーマンステスト 平成21年度に実装した送出速度コントロール機構付きカーネルドライバを用いて通信テストを行った。アプリケーションとしてはホスト性能に依存するがメモリからメモリへの通信を行うiperfを用いてテストを行い、パケットの送出速度を抑制した通信が可能であることを確認した。 2、ファイル転送プロトコルの通信状況の精査 パフォーマンステストにおいて、実際のネットワーク上では起こる通信パケット間隔がつまる現象や、実際の輻輳などと、ホスト内で起こりうる輻輳がどのように起こっているかを、開発したカーネルドライバと通常のLinux TCPスタックの両方で精密に計測を行った。テスト環境として仮想化サーバを用いたため、当初想定したパケット速度抑止とは異なるふるまいをしていたことが判明した。仮想化親サーバで、子サーバの通信の振る舞いを変えずにパケット送出を行う方法を検討し、テストを行った。 3、送出速度コントロールドライバと協調するTCP/IPスタックについての考察と調整 仮想化サーバ間でのTCP通信を行い、測定結果から実装した送出速度コントロール機構と協調するTCP/IPスタックの評価を行った。実験環境として用いた仮想化サーバにおいては親サーバが変えるパケットの振る舞いが従前の物理サーバにおけるパケットの振る舞いと似た振る舞いを示すことが分かった。実験中、仮想化サーバの振る舞いの問題が判明したため、今後は仮想化親サーバの振る舞いをTCP/IPスタックだけでなく、親サーバの通信としてコントロールする方法が必要であることが分かった。これらの成果については今後まとめていきたいと考えている。
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