2009 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワークにおける省電力化を考慮したトランスポートプロトコルの開発
Project/Area Number |
21700081
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
福田 豊 Kyushu Institute of Technology, 情報科学センター, 助教 (90372763)
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Keywords | 省電力化 |
Research Abstract |
ネットワークのトラヒック増加に伴う電力消費量の増大に対応するためには,ネットワーク機器を構成する部品の省電力化だけでなく,通信を担うネットワークの各層でも有効な省電力化手法を開発する必要がある.そこで本課題では,端末間の流量制御を担当するトランスポートプロトコルを対象とし,省電力化を考慮した通信制御手法の開発を行う.特に提案手法では,効果的な省電力化の実現を目指して,すでに取り組みが始まっているネットワーク中継機器の省電力化機能と連携して動作することを検討している.本年度の研究成果は以下の通りである. (1) 関連研究調査 無線通信に適応したものや高速転送を可能とする手法など,フロー転送制御手法に関する先行研究を調査し,提案手法に活用できないかどうかを検討した. (2) シミュレーション評価体制の構築 提案する省電力化を考慮したトランスポートプロトコルの設計開発と,評価を行うためのシミュレーション環境を構築した.連携を考慮する省電力化手法としては,本課題実施者らが関連研究として取り組んでいる,トラヒック特性に応じてスイッチ間のリンク容量を動的に制御して省電力化を目指す機構をシミュレータに導入した. (3) 既存の省電力化手法との連携方法の検討 (2) で構築したシミュレーション環境を用い,関連研究で提案しているリンクの転送性能を制御する手法が標準的なトランスポートプロトコルであるTCPに与える影響について調査を行った.その結果,省電力化性能はリンクの転送容量の制御だけでなく,往復伝搬遅延時間からも大きな影響を受けることが分かった.よってリンク容量を効果的に制御することができるように,通信相手からの応答時間を考慮にいれた流量制御を行う必要があることが分かった.
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