2010 Fiscal Year Annual Research Report
柔軟性と操作性を併せ持つ画像・映像データ編集手法に関する研究
Project/Area Number |
21700097
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
張 英夏 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教 (50397056)
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Keywords | テクスチャ合成 / 色差式 / 心理視覚実験 / 領域の切り貼り |
Research Abstract |
画像領域の切り貼りは近年最も盛んに研究が進んでいる分野の1つであり,貼付けた部分をなじませるためには考慮すべき条件が多く存在する.従来の手法では人,車,動物など,1つのまとまった領域を切り貼りすると前提し,貼付けた部分の色をコントロールすることによって合成の違和感を軽減させる方法が多数提案されている.一方で,実際に画像の切り貼りを行う場合には,1つの独立した物体を切り貼りするだけでなく,例えば煙突部分や建物の一部など,物体の一部を切り貼りしたい場合が生じる.そこで本年度は,そのような場合に,合成部分をどのように処理すれば違和感のない切り貼りになるかについて検討を行った.今回は,テクスチャが前景と背景に分離できる前提とした.まず合成すべき2つの領域へBのそれぞれに対し前景,背景に分離する.次に前景の出現数を徐々に加減し,AとBの前景がなだらかに切り替わって行く手法を提案した. 次に,テクスチャ領域の切り貼りに必要な色差式の検討を行った.画像の切り貼りの原点となっている基礎技術は色差式である.しかしながら,従来の色差式は特に色差の大きい部分では知覚に沿わないことが知られている.今回も同様の理由から角差式を見直す必要が出て来たため,人間の色の類似度に関する心理視覚実験を行った.その結果,人間が類似していると知覚する色の広がりはCIELAB色空間上に同心円上に分布せず,既知のCIELAB色空間の歪みとは異なる歪みが確認できた.
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