2009 Fiscal Year Annual Research Report
携帯情報端末によるスポーツ観戦メタデータの抽出・共有と映像アノテーションへの利用
Project/Area Number |
21700104
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大平 茂輝 Nagoya University, 情報基盤センター, 助教 (60339695)
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Keywords | コンテンツ・アーカイブ / モバイルシステム / メタデータ / 映像アノテーション |
Research Abstract |
本研究では、スポーツ映像を対象として、機械処理の精度向上や専門家が修正する映像区間の絞り込み、また多数の閲覧者の視点や注目度といった統計的情報の取得、これらを映像中の事象の発生と同期的に行うことによる新しい映像アノテーション手法の確立を目指している。具体的には、試合会場で観戦・応援しながらデジタルカメラやハンディカムで適宜撮影を行うという、ごく自然は観戦スタイルを映像アノテーションに組み込む手法の提案である。一般に、撮影された静止画や動画像が保持するメタデータは時間情報のみであることから、観戦時の身体動作や視線の方向、観戦位置に関する情報を観戦状況メタデータとして獲得するために、撮影機器以外のデバイスとして各種センサを搭載した携帯情報端末(センサユニット)を導入した。平成21年度はセンサユニットを4式製作し、試作済みの2式と合わせてスタジアムの異なる位置から試合観戦データの収集を行った。収集データから観戦者の視線方向と位置情報を観戦状況メタデータとして抽出しその精度評価を行った結果、視線方向については観戦者の座席位置と視線先のフィールドとの位置関係が重要であり、座席正面からの角度が大きくなるにつれて精度の低下が見られた。観戦中の最大視野角が128度と広いことから、スタジアムに分散して着席している観戦者のメタデータは、フィールドを領域分割して局所的に採用することで映像アノテーションとしての利用価値があることが分かった。また座席位置については、屋根のないスタジアムでは誤差範囲内であるが、メインスタンドなど屋根がある座席については最大30m程のずれを生じることから、現実的にはRF-IDタグ等の非接触センサや電子チケット等による座席位置の自動設定が望ましいと考えられる。
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