2009 Fiscal Year Annual Research Report
タイルドディスプレイウォールを用いた高臨場感な遠隔協調作業支援基盤の構築
Project/Area Number |
21700109
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
江原 康生 Osaka University, 情報基盤推進本部, 講師 (40324686)
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Keywords | 遠隔コミュニケーション / テレイマージョン / タイルドディスプレイ |
Research Abstract |
本研究では、複数のLCD(液晶ディスプレイ)をタイル状に配置して、高解像度な大画面提示や複数の情報を同時に提示可能なタイルドディスプレイウォール(Tiled Displays Wall)を活用し、実環境における存在感や臨場感を有する遠隔協調作業支援の実現を目的とした基盤技術の研究開発を目的とする。平成21年度は、以下の項目に関する研究を遂行し、所望の成果が得られている。 1. タイルドディスプレイウォール実験環境の構築(大画面表示、遠隔コミュニケーション機能の実装) 既存設備として使用しているタイルドディスプレイウォールを拡張し、本研究の実験環境の構築を行った。タイルドディスプレイウォールで大画面・高解像度表示を実現させるミドルウェアとしてSAGEを用い、遠隔コミュニケーション機能として、従来に開発した音声通話ライブラリとIEEE1394カメラ映像表示用アプリケーションを組み合わせることで、映像及び音声配信機能を実装した。さらに、タイルドディスプレイウォールを有する学外研究機関の協力を得てJGN2plus上に遠隔コミュニケーション実験環境の整備を行い、評価試験を実施した。 2. 複数のカメラを用いた参加者の顔方向検出による送受信映像の動的切り替え手法の提案 遠隔コミュニケーションにおける撮影用カメラは表示装置の上や脇に設置されるため、参加者の視点方向がずれることでコミュニケーションに支障が生じる。さらに複数拠点による遠隔コミュニケーションでは、1対1の場合と比べて互いの相手が誰に注目して会話しているかを視覚的に感じるのが困難である。本研究では、各機関で複数の撮影カメラを設置して画像認識技術を用いて各映像から参加者の顔方向を検出し、遠隔地のどの相手に対して顔を向けて会話などを行っているかを判別する。その結果を基に、遠隔地の相手に明示的に知らせるように送信映像を動的に切り替える手法を提案し、実装を行った。
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