2010 Fiscal Year Annual Research Report
幾何変形にロバストな印刷型ステガノグラフィとそのユビキタスサービスへの応用
Project/Area Number |
21700119
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
内田 理 東海大学, 情報理工学部, 准教授 (50329306)
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Keywords | ステガノグラフィ / 電子透かし / ユビキタスコンピューティング / 二次元コード |
Research Abstract |
近年、QRコードと呼ばれる2次元コードが普及し、主に印刷物への情報埋め込みに利用されている。QRコードは専用読取端末のみならず携帯電話の読取機能により手軽に利用することができ、現在はWebサイトや広告媒体への誘導、食品等のトレーサビリティ管理などに利用されている。QRコードは360度どの方向からでも読み取ることができ、またスケールの変化にもロバストである。一方で、印刷物等のデザイン性を損ねるデメリットがある。本研究の主たる目的は、QRコードのような人工的なコードに代わり、イメージや写真そのものにデザイン性を大きく損ねることなく情報を埋め込むことである。今年度は、昨年度提案した、情報の埋め込みをある程度ユーザに認識させることが可能な印刷型ステガノグラフィについて、更なる検討を行った。昨年度、幾何変形への耐性に関する検討が不十分であったため、今年度は主にSIFT特徴量など、回転不変な特徴量の利用についての検討を行った。従来の携帯電話では、SIFT特徴量の利用は計算量やメモリ量の問題などから不適切とされてきたが、近年の携帯電話の高性能化、スマートフォンの普及などにより、十分に利用可能な環境が整いつつある。そこで、SIFT特徴量を利用した埋め込み領域抽出が、携帯電話を利用して実用的な時間で可能かどうかの検証を行った。その結果、十分実用的であることが確認できた。まだ抽出成功率の点で若干問題があるが、改善の見通しは立っており、研究結果については、2011年度に国際会議での発表、及び論文誌への投稿を予定している。
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