2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700129
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
井上 征矢 Tsukuba University of Technology, 産業技術学部, 准教授 (80389717)
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Keywords | 聴覚障害 / 電光文字表示器 / 案内サイン / 情報保障 |
Research Abstract |
聴覚障害者にとって読みやすい電光文字表示器の適切な表示方法について探るため、平成21年度は、まず現在の駅や電車内などの交通関連施設において使用されている電光文字表示器の動画サンプルを集め、現状の把握を行う調査を引き続き行った。そして次に、それらのサンプルの提示方法(表示文字数とスクロールスピードの関係等)の適切さや、文型や文字種の違いなどが、聴覚障害者がスクロール文章を速読する際の読みやすさに与える影響について探るため、現状調査で集めた文章を含む24種の文章を用いて(同時に表示する文字数は10文字に固定)、「文型(案内や注意などの一般的な文章と、停車駅の案内などの名詞を羅列した文章)」や「文字種(漢字やカタカナをまじえた文章と、平仮名のみの文章)」、「スクロールスピード(移動スピードが3.5文字/秒と5文字/秒。3.5文字/秒は、予備実験で表示文字数が10文字の場合に聴覚障害者が選んだ最適なスピードよりも若干遅いスピード)」の3要因を変化させて画面にスクロール表示し、被験者が読む際(音読と黙読)の「視線の動き」を計測する実験を視線計測機器(Tobii T60 Eye Tracker)を用いて行った。被験者は聴覚障害者学生20名(聴力レベル60デシベル以上)と健聴者学生20名の計40名であった。この実験の結果は、提示文を手話に直した場合の文法構造の相違の影響など、多角的な観点から分析中である。また次に行う実験(文字を色分けしたり、拡大文字を使用して品詞を区別しやすくすることや、キーワードのみで文章を理解できる提示方法の有効性を探る実験)についても準備を進めている。
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