2009 Fiscal Year Annual Research Report
加速度センサを用いた不随意運動解析によるユーザインタフェース適応技術
Project/Area Number |
21700138
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
廣冨 哲也 Shimane University, 総合理工学部, 准教授 (70379692)
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Keywords | ユーザインタフェース / リハビリテーション / 不随意運動 |
Research Abstract |
肢体不自由児・者が意思伝達および環境制御を行うユーザインタフェースの適応は、ハードウェアとソフトウェアの選択および設定を含み、障害特性、姿勢保持、疲れ等の多角的な観点による評価が必要となる。しかし、現在、これらの評価は適応を行う作業療法士の知識と経験に大きく依存しており、その判断を支援するためにも、操作時に発生する不随意運動を定量的な指標で捉えることが重要である。そこで、本年度は、身体に取り付けた3軸加速度センサにより、機器を操作する際の動揺を計測するとともに、操作ログを記録するシステムを試作し、脳性麻痺等を有する肢体不自由児を対象としたケーススタディを行った。具体的には、作業療法士の立ち会いの下、姿勢や機器の設定等を変更しながら、試作システムを用いて計測を行い、撮影したビデオデータと組み合わせて解析を行った。その結果、経験豊富な作業療法士が適していると判断した姿勢では、それ以外の姿勢と比較し、操作時に身体他部の運動が不随意に引き起こされる連合反応等による動揺が少なくなり、安定した動作が行われていることを示唆するデータを得た。また、タッチパネル画面上のボタンを押下する際、位置による巧緻性の違いについてもデータ収集を行った。不適なユーザインタフェースを使用し続けることは、二次障害の発生や学習性無力感の醸成など、肢体不自由児・者の生活の質を低下させる原因となる。本年度収集したデータは、不随意運動を定量的に解析し、ユーザインタフェースを適応させるための基礎であり、上記の問題を防止または軽減するために重要だと考えられる。
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Research Products
(2 results)