2009 Fiscal Year Annual Research Report
非言語的な図形の瞬間的な認知に影響を及ぼす情報提示条件に関する研究
Project/Area Number |
21700142
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
高橋 雄三 Hiroshima City University, 情報科学研究科, 助教 (30326425)
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Keywords | ユーザインタフェース / 認知科学 / 実験系心理学 / 感性情報学 / ディスプレイ / 人間工学 |
Research Abstract |
我々は,時々刻々と変化する状況を概略的に理解するため,言語化のプロセスを介さずに様々な情報を認知し,判断する.またインタフェースが人間に提示する情報は記憶容易性("パッ"と見てわかる)と把持容易性(忘れにくい)の両方を兼ね備える必要がある.特に,言語的に記憶することが困難な図形や情報の認知精度を向上させることは,様々な労働場面で有益である.本研究では非言語的な図形の瞬間的な認知に影響を及ぼす人間側の諸特性を明らかにした上で,非言語的な図形や情報を正確に認知するために必要な情報提示条件について実験的に検討し,得られた知見を基に,適切な情報提示方法を提案することを目的とした. 平成21年度の研究では,研究の第1段階として,様々な非言語的な図形を提示し,反応時間や正答率などの被験者のパフォーマンスを測定するための提示・測定プログラムの開発と装置の構築をおこなった.続いて,図形の瞬間的な認知に影響を及ぼす個人特性を計測するシステムの構築(a.空間認知特性検査システム,b.空間識別能力検査システム,c.平衡機能)をおこない,構築した各システムの妥当性を検証するための検証実験をおこなった.結果,言語的に表現することが困難な図形を認知する際,被験者は中心視によらず周辺視によって図形の概要を認知している可能性が示唆された.また,被験者の個人特性は非言語的な図形の再認パフォーマンスに強く影響を及ぼす可能性が示唆された.具体的には,個々人が持つ異同判断基準の影響や空間認知特性(動体視力),空間識別能力(立体視,奥行き知覚など)の影響が強くあらわれる可能性が示唆された.
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Research Products
(1 results)