Research Abstract |
本研究のもう一つの学術的興味は,タッチパネルと音とを用いた視覚障害者向け図形提示方法を,その他の人々も楽しめたり役に立つようにユニバーサルデザイン(UD)化し,提案する視覚障害者向け情報補償技術が広く一般に普及可能とすること(ゴール3)である.H22年度は前年の成果をもとに,以下のサブテーマを実施した. 〈Sub-3〉開発した図形提示方法のUD化の提案と評価研究 前年度に開発した図形提示方法のUD化仮説の立案とコンセプトのデモを行うためのコンテンツとシステム双方の設計・製作を行う.そして,展示会,大学のオープンハウス・研究情報発信イベント等を利用した,多人数かつ様々なユーザによる被験者実験を実施した.具体的には,前年度に実装した実験システムをUDを考慮して改良・発展させ,地図・案内図等の実用的コンテンツ,パズルゲーム・インタラクティブアート等の娯楽・芸術的コンテンツ,を例にUD化仮説に基づいた図形提示方法の実装を行い,被験者実験に用いた.また,前年度のテーブル型システム,PCモニタ,大型テレビから個人用の小型ガジェットにダウンロードするシステムの3つを対象としたコンテンツ開発に加え,モバイル機器での利用を考慮した図形提示コンテンツの開発を行った.具体的には,タブレットPC,ミニPC,スマートフォンを購入し,実験システムの追加構築を行い,全盲もしくは全盲に近い重度視覚障害者を対象とした1年間のべ50人の被験者実験実施を通して,提案する図形提示方法がモバイルシーンにおいても有効となりうるように改良・評価を行った.
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