2009 Fiscal Year Annual Research Report
計算論的制度設計に基づいた不正を防止する電子商取引メカニズムの開発と実装
Project/Area Number |
21700151
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
松尾 徳朗 Yamagata University, 大学院・理工学研究科, 准教授 (80433142)
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Keywords | 電子商取引 / エージェント / メカニズム設計 / オークション / 談合 |
Research Abstract |
電子商取引において注目を集めているオークションのうちで、将来的に効果的な入札を実現するための入札方法として組合せオークションがあるが、そのオークションにおいて不正入札(架空名義入札および談合入札)を防止するために不正を企む入札者を発見する手法を開発した。ここでの課題として、複数の財によるバンドルの分析が困難な状況もあると考えられるため、入札値分析の際にヒューリスティックスを用いることにより対処した。仮に談合を行うような入札者を意図的に入札者のグループに参加させておき、どのように他の入札者の支払額に影響を与えるかに関して経験的に適したメカニズムを開発した。また、入札者間結託以外のオークショニアと入札者の結託に関して議論した。具体的に、ハイブリッドトレーダーと呼ばれる売り手にも買い手にもなる取引者に焦点を当て、分析した。本分析においては、複数のタイプを持つ取引者が存在する状況において分析を行い、望ましい価格とバンドルの形態を明らかにした。一方で取引者ではなく、オークションの管理者あるいは主催者であるオークショニアが結託を行った場合についての分析においては、直接的にそこでの支払い金額が結託を行わない場合と比べると変化する特徴を生かし、仮想的に上記の状況を作成し、支払い金額が同値でないオークション参加者を発見することで不正が未然に防ぐ手法を開発した。本手法は、将来の安全な電子商取引市場の確立に意義がある。
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Research Products
(3 results)