2010 Fiscal Year Annual Research Report
パスフラグメントによる分子グラフのクイックマイニング
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21700159
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Research Institution | Kanazawa Technical College |
Principal Investigator |
藤島 悟志 金沢工業高等専門学校, 電気電子工学科, 准教授 (10411787)
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Keywords | パスフラグメント / 簡易マイニング / パスフラグメントグループ / 頻度分布 / 薬理活性クラス / 化学構造データマイニング |
Research Abstract |
平成22年度は以下の2つの項目について研究実施を計画し,インターネット上(PubMedや化審法データベース)に公開されている,化合物データを用いて本手法の有用性の検証を行った. 1.広範囲の各種薬理活性クラスに対する化学構造データマイニングの適用と構造特徴の抽出 2.それら構造特徴を用いた活性クラス分類や物性(毒性)予測モデルなどの構造活性相関モデルへの応用 パスフラグメントを構造特徴記述子とした活性クラス分類への応用では,申請者の先行研究で行ってきた,サポートベクタマシン(SVM)を利用した.化審法データベースにて公開されている,既存点検対象物質から生分解性データファイルを作成し,生分解性(易分解,難分解)予測実験を試みた.パスフラグメントを記述子とした実験では高い精度で生分解性予測が行えることが分かり,その有用性を期待させる結果となった.しかし,対象の生分解性データ数が100件程度と少ないため,確証は得られない.そのため,今後はデータ数を大幅に増やし,交差検証法も取り入れた大規模データでの予測精度の検証を行う必要がある. PubMedから抽出した4種(ドーパミン拮抗薬/作動薬,変異原性,発癌性)のデータに対しても実験を行った.ドーパミン2種を対象とした2クラス分類を始め,4種すべてを使用した4クラス分類などの実験を行ったところ,いずれも良好な精度でクラス分類を行うことができた.このことから,構造活性相関モデルについてパスフラグメントの応用可能性も期待できる.以上からある程度の成果は得られたが,学会発表に至るものではなかった. 化学構造データマイニングの適用と構造特徴の抽出については取り組むことができなかった.前年度行った,頻出パスフラグメントの統計的解析手順を基礎として,TF/IDF法の適用を行うことで,効果的な特徴抽出の検証を行っていきたい. 創薬研究の初期段階における,副作用などを避けたリード構造の提案や,既存薬に対する未知の副作用などに関するリスク推定問題への応用可能性について引き続き検討したい.
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