2010 Fiscal Year Annual Research Report
音声対話システムにおけるユーザ行動の時系列変化を捉えたユーザモデリング
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21700164
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
駒谷 和範 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (40362579)
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Keywords | 音声対話システム / ユーザモデリング / バージイン / 経時的変化 / 習熟度 / 音声認識 / 発話タイミング / 京都市バス運行情報案内システム |
Research Abstract |
本研究では,音声対話システムにおけるユーザの発話行動の経時的変化に着目し,ユーザのシステムへの習熟過程のモデル化を目指して研究を行った.これを通じてユーザの発話行動(音声認識率,バージイン率など)とその変化に関する知見を蓄積し,ユーザに適応したインタラクションのための基礎技術とする.この習熟過程のモデルは,各ユーザに適応した応答生成や音声認識結果の取捨選択に利用可能である. 具体的には,京都大学で収集された,京都市バス運行情報案内システムのデータに対して分析を行った.これらは一般公開したシステムで得られた,実ユーザによる対話データである.前年度に,このデータに基づいてユーザのふるまいを分析し,その経時的な変化を定量的に示したのに続き,本年度は「推定音声認識率の設計とそれを用いた音声認識結果の取捨選択」について検討,検証を進めた. ここでは,音声対話システム使用中のユーザの音声認識率を,人手による書き起こし無しで推定する手法を開発した.通常は,音声認識率は発話を人手で書き起こした後に計算するため,システム動作中にこのような情報を使用することはできない.本研究では各ユーザの音声認識精度を,肯定否定発話に着目してオンラインで推定する手法を考案した.これをバージイン発話の取捨選択に用いた結果,取捨選択精度の向上が得られ,ユーザプロファイルとして利用可能であることが示された.また従来用いられる音声認識信頼度とともに用いた場合でも精度が向上することも示した.
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