2009 Fiscal Year Annual Research Report
多角的データマイニングによる固体型電池の機械特性評価に関する研究
Project/Area Number |
21700165
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福井 健一 Osaka University, 産業科学研究科, 特任助教 (80418772)
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Keywords | 燃料電池 / 解析・評価 / 可視化 / 機械学習 |
Research Abstract |
本研究は,燃料電池の大規模な損傷計測データから,損傷メカニズムの解明や監視のためのデータマイニング技術の応用研究である.本年度は,自己組織化マップ(SOM)を基に可視化を中心とした損傷過程の探索的データ解析基盤技術の開発を行った.まず,損傷計測信号であるAcoustic Emission(AE)データに対して,その周波数スペクトルの分布形状を考慮するためにKullback-Leibler(KL)情報量をSOMに導入した.提案手法の分類性能を定量的に評価するため,数種類の木片のき裂音を集音したベンチマークデータを用意した.評価の結果,本手法は通常SOMや一般的に用いられているカーネル関数に比べて,損傷によって得られる弾性波信号を高精度に分類できることを示した.その成果に基づき,燃料電池の損傷過程の探索的データ解析基盤を構築した.実際の燃料電池の損傷試験から得られたAEデータから,KL情報量を導入したSOMにより損傷過程が大局的に把握可能であることを示した.特に電解質の支持材であるガラスシールの損傷によるAE信号の特定に初めて成功した.これにより,燃料電池の専門家が大規模かつ複数種が混在するAE信号に対する探索的な分析を支援することが可能になる.来年度は,本年度の成果を基に重大な損傷へ遷移する予兆の発見や,連動して起こる損傷パターンを抽出する方法について研究を行う.
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Research Products
(13 results)