Research Abstract |
1)楕円型のサポートベクターマシンの定式化および解法に関する研究を行った.機械学習における代表的な学習手法の1つであるサポートベクターマシン(SVM)は線形制約を満たす最大超球を求める問題の解と見なすことができる.また,この観点に沿った拡張であるベイズポイントマシン(BPM)は線形制約内の重心を求める手法であり,ベイズ的な仮定の下,最適な学習手法であることが示されている.しかし,BPMの計算量は大きいため大規模データには適さない。そこで,本研究では,線形制約内の最大超楕円を求める問題を定式化した(楕円型サポートベクターマシン)この定式化により,SVMよりも頑健なBPMの近似を得ることを目指している.本定式化では,カーネルを用いる事も可能である.さらに,本研究では,SMOアルゴリズムに基づくカーネルを用いた解法および,オンライン凸最適化に基づくカーネルを用いない解法を提案した.実データ上において,提案手法はSVMに比べてより頑健な予測精度を示し,またBPMよりも高速であった.本研究結果は,国際会議Asian Conference on Machine Learningに受理された. 2)部分文字列パターン上の1ノルムソフトマージン最適化に関する研究を行った.テキストの分類において,テキストに出現する部分文字列は大きな役割を果たす.実際,部分文字列に対応した仮説を複数組み合わせることにより,高い分類精度を得られる.しかしながら,与えられたテキスト中の部分文字列は元のテキストのサイズの2乗オーダー存在し,ナイーブな方法では分類に有効な部分文字列の探索に計算時間を要する.そこで,本研究では文字列の索引構造の1つである接尾辞配列を用いることにより効率的な探索手法を開発した.本研究結果は,国際会議Discovery Scienceに受理された. また,その他の研究として,3)順列のオンライン予測,4)機械学習を用いた将棋プログラム,5)モンテカルロ探索手法の研究を行った.さらに人工知能学会研究会優秀賞を受賞した.
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