2009 Fiscal Year Annual Research Report
制約充足問題の自己適応型メタヒューリスティクスに関する研究
Project/Area Number |
21700173
|
Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
水野 一徳 Takushoku University, 工学部, 准教授 (20439524)
|
Keywords | 制約充足問題 / 探索 / メタヒューリスティクス / 相転移 / NP完全 / グラフ彩色問題 |
Research Abstract |
本年度実施した研究の成果は大きく2つに分けられる.まず,1点目は,交付申請書記載の「研究目的」(1)に関するもので,制約充足問題を確率的解探索アルゴリズムによって解決する方法の考察および開発を行なった.具体的には,解の候補を生成するエージェントを複数設定し,それらのエージェントが他のエージェントと協調しながら解候補を生成し,個別の問題に適応していくメタヒューリスティクスの考案およびアルゴリズムの実装を行なった.これによって,「研究目的」(1)を達成するための基盤を作ることができた. 次に,2点目は,「研究目的」(2)に関連するもので,制約充足問題の個別の問題の解決の困難さに関する考察と,その考察結果を生かした新たな問題生成方法を考案した.具体的には,制約充足問題の代表的な例題であるグラフ彩色問題に対して,従来より提案されている様々な解決アルゴリズムのどれを用いても,個別の問題を解決するために非常に計算手間を要する(問題サイズの指数オーダ)実問題を意図的かつ安定的に生成する方法を考案した.これは,「研究目的」(2)で記載した制約充足問題の相転移現象が発生する要因を探る上で重要な研究成果であるといえる.また,ここで考案した実問題生成法は,様々なところで開発された解探索アルゴリズムを評価するためのベンチマーク問題を提供できるという意味で,組合せ探索,組合せ最適化や計算複雑さの理論などの分野の発展に寄与することができるものと考えられる.
|