2012 Fiscal Year Annual Research Report
触覚ヘテロダイン法に基づく時間周波数刺激の強調提示
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21700185
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
牧野 泰才 慶應義塾大学, 先導研究センター, 特任講師 (00518714)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 触覚ディスプレイ / 触覚情報処理 / 触覚インタフェース |
Research Abstract |
本年度は,主に2つの研究を行った. 1つは二重振動刺激を利用したヒューマン・マシンインタフェースとしての応用である.昨年度までの成果として,手持ちのモバイル機器に対して,接触部位にのみ振動感覚を提示する二重振動刺激法を提案してきていた.これは複数の高周波振動によるビート周波数を利用した手法である.本年度はそれを拡張し,ヒトの皮膚をインタフェースとして利用する際の触感提示として応用する方法を提案した.近年,ヒトの皮膚をインタフェースとして利用する手法がいくつか提案されている.本提案でも手の甲をインタフェース面として利用する方法を開発した.そのようなシステムの場合,操作する側の指も,触られる側の皮膚も,どちらも振動を知覚可能なため,接触部位にのみ触感を生起させるのは一般的に困難である.例えば振動子を手首などに載せた場合,手の甲上の接触部位のみならず,振動が伝搬する経路全てにおいて触感が生じてしまう.本研究では,新しく提案する二重振動刺激を応用し接触部位にのみ触感を提示する.本年度はそのプロトタイプを作成し,実際に仮説のとおりに接触部位にのみ振動感覚が生起されることを確認した. もう1つは,ヒトの振動知覚の解明という生理学的側面からの研究である.本研究でターゲットとしている高周波振動に対する,皮膚の知覚特性を調べる過程で,従来知られていた低周波での振動知覚の特性が部位に依って大きく異なることが発見された.本年度は,皮膚を有限要素モデルで解析し,当該部位での共振周波数と,感度特性との間の関係を調べた.結果として,当該部位が共振条件の場合,部位全体が大きく変形し,内部に応力集中が生じにくくなる.それにより,表皮と真皮の境界に位置するマイスナー小体の感度が低下することが示された.これは心理物理的な実験結果とも一致する新しい発見である.今後,詳細な検討を重ねていく予定となっている.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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