2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700186
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
川原 靖弘 放送大学, 教養学部, 准教授 (10422403)
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Keywords | 位置情報 / 移動体通信 / 物流 / 測位 / 電波伝搬 |
Research Abstract |
紛失した輸送物の回収において、GPSや公衆無線の利用した位置探査では精度の点で探索が不可能な場合がある。また、1ヶ月以上にわたり使用しない期間がある物流移動機器の測位において、探索対象に装着された測位に使用する端末の通信量はバッテリの寿命を延ばすために低減する必要がある。そこで、紛失した輸送物を端末の電波を受信解析により探索する方法、及び、移動機器の振動解析結果を用いて移動停止判定を行うことでPHS端末の消費電力及び通信コストの削減を実現する方法を組み合わせることにより、測位端末の消費電力が低い、高精度かつ導入が簡便な物流用PHS測位システムについて研究・開発を行った。 移動機器の移動停止判定において、停止時及び移動時の振動計測を加速度計を用いて行った。移動体が移動しているときと停止しているときにおけるそれぞれの移動体の振動の振幅の平均値からマハラノビス距離が等しい値を閾値とし、閾値以上の振幅の場合は移動、閾値以下の振幅の場合は停止とした。この判定において、漸化式を用いて閾値を繰り返し計算することで、端末の演算装置に大きな負荷をかけず最適な閾値を簡便に得る方法を考案した。シミュレーションにより、振動形態が変化する場合にも最適な閾値が設定されることを確認した。また乗用車の振動に適用し、アイドリングを含む場合にも約88%の確率で移動停止が判定出来ることを確認した。さらに,低消費電力化を目的とした端末の実装を行い,1日4回の計測の場合,想定した移動パターンにおいてPHSの消費電力を含めて平均0.5mWで動作可能な端末が実現出来ることを確認した。これらの結果をもとに、移動停止判定アルゴリズムを搭載する移動体端末の設計を行った。
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Research Products
(8 results)