Research Abstract |
本研究の目的は,全方位内視鏡を用いて,死角の無い映像(=全天球視野)を表示する方法を開発することである.全方位内視鏡は前方,後方の両方の視野が得られるが,凸面鏡の裏側などに観察できない死角が存在する.複数の画像から全天球視野画像を生成する際,死角部分境界に画像の不連続などの誤差が発生することが多い.そこで撮影した腸管の形状を得ることによって,そのような誤差を少なくする手法を研究した.これまでの予備実験によって,内視鏡に取り付けられる大きさでパターン光を投影する光源を実現することが確かめられている.平成23年度には,内視鏡先端に取り付ける光源を試作し,光源試作における問題点の検証を行った,まず,内視鏡光源の大きさが非常に小さいため,その大きさに収まるパターンの製作,小型の投影光学系の設計,内視鏡への取り付け方法の検討を行った.超小型の投影パターンを実現するため,半導体制作に用いられるマスクプリント技術を応用し,投影するパターンの試作を行った,また,光ファイバー光源と組み合わせて内視鏡の鉗子口に挿入するための光源の設計と試作を行った.次に,その光源と内視鏡カメラを用いて,形状復元を行うアルゴリズムを研究した.これまで研究してきた投影パターンでは,色を用いたグリソドパターンを投影して形状を計測する手であったが,内視鏡システムに応用する場合,投影するパターンに制限が生じる.そこで,光ファイバーと超小型のマスクパターンから構成される光源を持つ内視鏡システムで実現可能な形状復元法を研究し,単色のパターンを用いて形状計測に必要な対応付けが実現可能であることを確かめた.
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