2010 Fiscal Year Annual Research Report
3次元時空間データからの統計的特徴抽出に関する研究
Project/Area Number |
21700214
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
小林 匠 独立行政法人産業技術総合研究所, 情報技術研究部門, 研究員 (30443188)
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Keywords | パターン認識 / 特徴抽出 / 時空間データ / 動画像認識 / 画像認識 |
Research Abstract |
H22年度はまず、画像認識において有効な性能を示す従来のBag-of-Features(BoF)法に対して、局所共起の概念を導入し拡張したBag-of-Coccurrence-Features法を提案した。BoF法は画像内で量子化局所特徴量(Visual Word)の生起頻度を測る。提案法では単純な生起頻度に留まらず、近傍局所領域での共起頻度を測ることで、対象認識において重要となる対象部位の相対的位置関係までも抽出することができる。そのため、認識性能を大きく向上させることができた。さらに、時空間データからの特徴抽出手法として、木構造に基づく局所共起特徴抽出法を開発した。上述の共起特徴量では、用いる共起パターン(どの程度の近傍を見るか、何点共起か等)を事前に人手で規定する必要があった。そこで、そのような恣意性を排除し、データに基づくより有効な特徴を抽出するため、特徴抽出のための共起パターンを学習により獲得する。一般に共起性は各事象を対等に扱うが、各共起パターン間での部分的重複を考慮すると、共起パターンは木構造を用いて記述することが可能である。ここではAdaBoostの逐次的学習法を適用することで、判別的観点から共起を表す木構造を最適化する手法を開発した。ここでの共起木はルートからリーフへと成長し、適応的に最適な深さと幅が得られる。これを動画像の時空間勾配に適用し(時空間勾配の共起特徴が構成される)、動画像認識実験を行ったところ、従来の動作特徴量と比較して良好な性能が得られた。さらに、得られた共起木構造を見ると、その多くが3~4点共起を示すことが分かった。これはあまりに多点の共起では汎化性が落ちてしまい、比較的少ない3点程度の共起が認識には有効であることを示しており興味深い結果である。
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