2011 Fiscal Year Annual Research Report
天体上空3次元探査を可能とする宇宙機の自律航法誘導制御手法の検討
Project/Area Number |
21700231
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
尾川 順子 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 月・惑星探査プログラムグループ, 研究員 (10523813)
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Keywords | 惑星探査 / 自律航法 |
Research Abstract |
本研究の目的は,未知天体上空において多様な地形,高度に対応した探査機の3次元自律航行に必要な基礎技術を検討することである.従来の着陸段階に特化した検討や特定の地形に依存した手法を超え,高速時系列画像処理などの導入によりロバストな誘導制御を行い,従来の点的探査とは質的に異なる天体環境の総合的理解を目指すとともに,地上運用者の負担の軽減を図るものである. 本年度はこれまでの検討に基づいて以下のトピックについて特に検討を行った.まず,画像を用いた自律航法誘導のための地形モデル作成を目的として,天体地表模型を用いた計測撮像システムを構築し,レーザ変位計および工業用カメラを用いてさまざまな角度から計測撮像実験を行った.実験結果を解析し,天体形状復元精度向上のためにさらに追加測定および解析を実施するとともに,計測によって得られた点群から誤差の少ないポリゴンモデルを自動作成するアルゴリズムを開発した.また天体への着陸において複数マーカを用いる手法について,実際のミッションや実在天体を想定したより具体的なシミュレーションを行うとともに,マーカの反発や重力中心推定の誤差などさまざまな環境変化に対するロバスト性を調査した.さらに,惑星間空間から惑星大気に突入して大気中を飛行時の宇宙機の軌道姿勢制御や飛行の確立手法についても,軌道力学や空力を考慮した検討を行ったほか,これまでの検討のアルゴリズムについても改良を進めた.これらの研究成果は国内外の学会において発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では3年目以降にはシミュレーションだけでなく実際の機材を用いた試験・検証を計画していたが,実際に本年度において計測撮像試験に着手し結果を得ることができた.そのため,順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,計測撮像実験で得られたデータをもとに自律航法誘導制御の検証をすすめるとともに,複数マーカを用いた着陸手法についても提案している複数の戦略について実ミッションに即した比較検討を行い,実ミッションへのフィードバックを図る.さらにこれまでの検討結果を統合し,最終的な成果をまとめて外部発表を行う.
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