2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700234
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松宮 一道 Tohoku University, 電気通信研究所, 助教 (90395103)
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Keywords | 認知科学 / バーチャルリアリティ / マルチモーダルインターフェース / 実験系心理学 / 行動学 / 運動残効 |
Research Abstract |
本研究では,手の操作における視覚・体性感覚の異種感覚情報のダイナミックな処理機構の解明を目標としている.平成21年度は,手の行動制御における異種感覚情報の協調メカニズムを明らかにする計画となっていた.本年度は,研究実施計画の初年度であったため,実験装置の設置と作成に多くの時間を費やした.実験装置には,視覚刺激作成装置を新規導入した.この装置は,ディスプレイのリフレッシュレートと厳密に同期させて視覚刺激を提示することができる.この装置で視覚刺激を提示しながら,触覚刺激は既に設置済みの力覚提示装置を使って提示するシステムを開発した.本研究では,手で物体操作を行っているときの視覚と体性感覚の協調・競合特性を測ることが目的であったため,手の視覚情報を提示する必要があった.手の視覚情報の作成には,CGソフトを使い,本物のように見える手の視覚像を描画し,その手が被験者の手の動きと同期して動くようにした.このよりな刺激を用いることで,CGで作成された手をあたかも自分の手であるかのように感じる錯覚を生み出すことができた.現在,この手の錯覚が生じたときの視覚・触覚情報の相互作用に関するデータを収集している最中である.また,装置開発と並行して,本研究に関連する予備的な視覚心理物理実験も行った.この実験により,手のリーチング運動が無意識に視覚表象の影響を受けることが示され,その効果は1次元表象だけでなく2次元表象にも拡張できることを示した.
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