2010 Fiscal Year Annual Research Report
笑顔の特徴情報と心理ストレス反応の関係性についての研究
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21700245
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Research Institution | University of Human Arts and Sciences |
Principal Investigator |
菅原 徹 人間総合科学大学, 人間科学部・人間科学科, 助教 (30508362)
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Keywords | 笑顔 / ストレス / 表情矩形アスペクト比 / 気分調査 / 針状度 |
Research Abstract |
ストレスに伴う笑顔形成の変化様態を、眼裂の針状度、表情矩形アスペクト比(両外眼角、両口角を補間する仮想矩形の縦横比)、下唇の傾斜度の3つの顔の幾何学的特徴量を測定し明らかにした。30名の大学生男女(男性15名、女性15名)を対象として、3種類の音刺激(A:プラスチックの摩擦音、B:小川のせせらぎの自然音、C:ヘッドホンの装着のみの無音)を1分間与えた。その直後に笑顔の写真撮影を行い、気分調査票を用いてストレスの度合いを調査して音刺激Aがストレス負荷となっていることを確認した。笑顔の写真画像を画像解析ソフトに取り込み特徴量を算出して比較した結果、下唇の傾斜度の平均値には笑顔A、笑顔B、笑顔Cの間に大きな差はみられなかった。これに対し、眼裂の針状度の平均値(±標準偏差)は笑顔Aが3.8±0.9、笑顔Bが4.5±2.2、笑顔Cが4.6±2.4となりストレス負荷を受けて針状度が低くなる傾向が見られた。また、表情矩形アスペクト比に関しても笑顔Aが1. 48±0.10、笑顔Bが1.51±0.11、笑顔Cが1.54±0.12となりストレス負荷を受けてアスペクト比が低くなる傾向がみられた。眼裂の針状度は眼輪筋の筋収縮と大頬骨筋の収縮に伴う眼裂下部表層の圧縮ひずみが関係し、表情矩形アスペクト比には大骨筋活動の筋収縮が反映される。したがって、ストレスに対してこれらの神経-筋活動が影響を受け顔の中部に変化が表れたことが推察される。ストレスに伴う随意的な笑顔形成の変化様態がわかり、認識率の高い笑顔づくりやストレス低減を目的としたフェイシャル・エクササイズの指針を示すことができた。
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