2009 Fiscal Year Annual Research Report
カオスダイナミクスを用いたパーティクルスォーム最適化法
Project/Area Number |
21700252
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
巽 啓司 Osaka University, 工学研究科, 准教授 (30304017)
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Keywords | パーティクルスォーム最適化法 / カオスダイナミクス / 大域的最適化 / メタヒューリスティクス / 群知能 |
Research Abstract |
1) 生成モデルの理論的な究明:近似解法に用いるカオスダイナミクスにおける、カオス生成のための理論的な十分条件はすでに示されているが、その定理における「目的関数のヘッセ行列が局所解付近で0になる」という仮定は、非常に大きな条件であった。この条件を「局所解付近で目的関数が凸になり、ヘッセ行列の固有値が十分に小さい」という条件に置き換えた上で、カオス生成条件をさらに厳密な十分条件(ダイナミクス内のパラメータについての条件)のもとで理論的に示した。また、その条件でのカオス生成状況やリアプノフ指数を求める数値実験によりその結果を検証した。 2) パーティクルスォーム最適下方(PSO)モデルの検討:カオスダイナミクスを組み込むPSOモデルとして、PSOの探索が滞った場合の再スタート時にカオス的挙動を組み込むモデルを検討した。従来の研究結果により、カオスを用いたPSOにおいて、カオスダイナミクスを利用したパーティクルと通常パーティクルの最適な比率は、適用する問題によって大きく変わることが知られている。そのため、このモデルでは、探索が滞った場合にカオスパーティクルを増やし、それ以外は通常パーティクルを増やす方法をとることで、状況に応じて適応的にその数を調整することを目指した。また、さらに、パーティクルの持ついくつかのパラメータも適応的に変化させるモデルも同時に検討し、そのどちらも良質な会探索の上で重要な役割を果たすことを数値実験において検証した。
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