Research Abstract |
報告者が提案した,最急降下方向を用いたカオス力学系の厳密なカオス生成条件とその条件に関する数値実験結果についてまとめたものを国際会議で発表し,会議後にProceedings集に投稿し掲載された(2010年).さらに,カオスダイナミクスの一般の勾配モデルへの拡張を理論的に検討しながら,以下のような,カオスダイナミクスを用いたPSOモデルの検討を行った. マルチスォーム型PSOに着目し,探索が停滞したパーティクルを,申請者が提案したカオス生成法を用いて再スタートさせる方法や,さらに適応的にスウォームのサイズを変化させる方法を提案し,その性能を検証した.再スタートについては,スウォーム内の全パーティクルと各パーティクルでの再スタートの2種類を,用いるカオスダイナミクスとしては,目的関数の微分情報を用いるものと最良解情報を用いる2種類のカオス生成法を,PSOのスウォーム構造については,2階層モデルの有無の2種類を検討し,その性能比較を行い,スォーム毎に再スタートさせ,最良解情報を用いるカオスを用いた2階層PSOモデルが最も有用であることが分かった.また,カオス・通常パーティクルを併用した.報告者が以前提案したPSOよりも探索能力が高いことを確認した.PSOは,非常に単純なアルゴリズムであることが多くの問題への適用理由となっているため,単に,求解能力を高めるだけでなく,探索能力向上に大きく寄与しない部分を省略し,パラメータ設定をより容易にすることが非常に重要なテーマであり,その観点からも,提案モデルが有効であることを検証できた.
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