2009 Fiscal Year Annual Research Report
デジタルスパイクニューロンのパルス結合系:学習法の構築と応用の基礎固め
Project/Area Number |
21700253
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鳥飼 弘幸 Osaka University, 基礎工学研究科, 准教授 (20318603)
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Keywords | ニューラルネットワーク / 離散状態系 / FPGA / 動的再構成可能VLSI / 神経補綴 |
Research Abstract |
本研究では,離散状態力学系を用いた神経細胞モデルの構築その応用の基礎固めに取り組んでいる.今年度は以下の研究成果を得た. (1) 離散状態神経細胞モデル(Digital Spiking Neuron, DSNと略す)を合成するための基礎として,連続状態神経細胞モデルの動力学とその信号符号化機能を考察した.例えば,複数の神経細胞モデルが並列化された系を考え,同系が任意の信号を複数のスパイク列の集合へと符号化できる事を理論と数値実験で示した.また同系をアナログ電子回路を用いて実装し,符号化機能をハードウェア実験で確認した. (2) 上記(1)の結果を参考にして,様々な信号が入力される一般化されたDSNを新たに提案した.また,同DNSの解析手法として連続・離散ハイブリッド写像を導出し,同DSNが呈する様々な分岐現象を解析した.さらに,ハイブリッド写像を用いて,同DSNがスパイク列入力に対して呈する様々な応答特性を解析した. (3) 未知パラメータを有する神経細胞モデルの応答特性を自動的に獲得する為のDSNの学習則を提案し,学習性能を解析した.また,よく知られているヒューリスティックなパラメータ最適化手法との比較を行った.そしてDSNと学習則をField Programmable Gate Array(FPGAと略す)に実装し,学習機能をハードウェァ実験で確認した. 上記の研究成果は,動的再構成可能FPGA等のVLSI内に神経細胞結合系の動力学を再構成するための方法論構築の基礎となる.その様な神経回路VLSIは,インプラント後に自律的にパラメータの最適化を続ける事が可能な神経補綴技術の開発に貢献できる.
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