2010 Fiscal Year Annual Research Report
デジタルスパイクニューロンのパルス結合系:学習法の構築と応用の基礎固め
Project/Area Number |
21700253
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鳥飼 弘幸 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (20318603)
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Keywords | ニューラルネットワーク / 離散状態系 / FPGA / ニューラル人工器官 |
Research Abstract |
これまでに電子回蹄実装を念頭に置いた人工神経細胞モデルに関する研究が盛んに行われて来ました,代表的なアプローチとしては「非線形微分方程式による神経細胞ダイナミクスのモデル化とそのアナログ非線形電子回路による実装」と「数値積分による神経細胞ダイナミクスのモデル化とそのデジタル数値演算プロセッサによる実装」が挙げられます.これらのアプローチに対して,近年我々の研究グループでは「非同期セルオートマトンによる神経細胞ダイナミクスのモデル化とその非同期順序回路による実装」という新しいアプローチを提案し,その有効性を示すための基礎研究を続けて来ました.本年度は,非同期セルオートマトンニューロンモデルに対する学習法の構築と,それらの応用の基礎固めを目的として以下のテーマに取り組みました.1.様々なスパイク刺激を入力できる一般化された非同期セルオートマトンニューロンモデルを新たに提案し,神経細胞モデルとしての応答特性を解析しました.2.未知の神経細胞の応答特性を近似する為の非同期セルオートマトンニューロンモデルの学習則を提案し,その近似性能を解析しました.また同ニューロンと学習則をField Programmable Gate Array上に実装し,実機実験にて学習機能を確認しました.3.非同期セルオートマトンニューロンモデルのパルス結合系を提案し,その疑似同期現象を理論と数値実験で解析しました.上記1.~3.の結果は,非同期セルオートマトンニューロンモデルとそのパルス結合系の神経補綴(Neural Prosthesis)への応用の基礎となる重要な結果です.
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