2011 Fiscal Year Annual Research Report
デジタルスパイクニューロンのパルス結合系:学習法の構築と応用の基礎固め
Project/Area Number |
21700253
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鳥飼 弘幸 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (20318603)
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Keywords | 非同期セルオートマトン / 神経細胞モデル / FPGA / 神経補綴 / 結合系 |
Research Abstract |
本研究では離散状態スパイクニューロン(Discrete-state Spikjng Neuron,以下DSNと略す)とその結合系に対する学習法の構築と,それらの応用に関する基礎固めを目的としました.23年度は特に以下の成果を得ました. (1)DSNの学習則の解析:未知のニューロンの非線形応答特性をDSNを用いて近似するためのDSNに対するパラメータ更新則(学習則)を構築しました.そして同学習則に関して,未知のニューロンから得られるデータとDSNから得られるデータの間の誤差(近似誤差)やDSNの学習に要する時間の特性(収束特性)などを解析しました.その結果,DSNとその学習則を用いた未知のニューロンの非線形応答特性の近似、手法は,計算コストが低いにも関わらず,他の計算コストが高い学習手法と遜色のない近似能力を実現すことが出来ることを示しました. (2)再構成可能ハードウェアを用いた実装:DSNとその学習則を再構成可能ハードウェアであるField Programmable Gate Array(以下FPGAと略す)に実装し,そのハードウェアとしての特性を解析しました.例えば,学習の収束速度,回路面積,消費電力等の関係を数値実験と実機実験の両面から解析しました,その結果,DSNとその学習則を用いた未知のニューロンの非線形応答特性の近似手法は,ニューロンのスタンダードな微分方程式モデルの数値積分とその学習則をハードウェとして実装する場合に比べて,ハードウェアコスト(FPGAのConfiguration Logic Blockの数)が6割程度低く抑えることが出来る事を示しました. (3)DSNのパルス結合系:22年度に提案したDSNのパルス結合系を一般化し,その時空間現象を解析しました.その結果,提案結合系が神経細胞の結合系に典型的に見られる引き込み現象を再現できることを示しました.
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