2011 Fiscal Year Annual Research Report
拡散符号を用いた多重化した電子透かし法の確立と復号アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
21700255
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
川村 正樹 山口大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (60314796)
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Keywords | 電子透かし / 情報統計力学 / 画像修復 / 復号アルゴリズム / ベイズ推定 |
Research Abstract |
スペクトル拡散型電子透かしでは、透かし間干渉を低減させることにより、より誤りの無い推定を行うことができる。本研究では、ベイズ最適な復号方法を基に、準最適な復号アルゴリズムを提案し、情報統計力学により評価する。これまでに、同期と非同期ダイナミクスについて検討し、非同期型の方がよい復号性能を持っていることがわかった。本年度では、有限温度(確率)を導入し、絶対零度(決定論的)アルゴリズムと比較した。通信路のパラメータがわかる場合には、有限温度アルゴリズムが有効である。これらの成果は、EMM研究会で発表している。 次に、性能評価をする際には、攻撃(ノイズ)の分布を考慮する必要がある。画素置換による埋め込みの場合は、ガウス分布と近似することによって、理論値を求めることができた。しかしながら、DCT係数に埋め込む場合は、ダブルピークを持つ分布となることがわかった。本研究では、混合ガウス分布で近似し、EMアルゴリズムを用いてパラメータを決定した。その結果、理論値と計算機シミュレーションとの誤差をより小さくすることに成功した。 さらに、原画像が未知である場合の復号性能をレプリカ法を用いて、理論的に求め.た。求めた鞍点方程式より、スペクトル拡散型電子透かしモデルの鞍点方程式は、CD融モデルと画像修復モデルから成り、巨視的変数を介して、相互に影響していることが明らかになった。理論と計算機シミュレーションの結果はよく一致した。これらの成果は、物理学会等で発表している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
様々な電子透かしの復号アルゴリズムについて検討し、性能評価を行っている。研究発表等により研究成果を公表している。
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Strategy for Future Research Activity |
スペクトル拡散型の電子透かしモデルについては、詳細に評価することができた。他の電子透かしモデルについても、定式化および評価を行えるように、手法の開発を行っていく必要がある。
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