2011 Fiscal Year Annual Research Report
複素ネットワークインバージョンによる不良設定逆問題の解法に関する研究
Project/Area Number |
21700260
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
小川 毅彦 拓殖大学, 工学部, 准教授 (50297090)
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Keywords | 逆問題 / 複素数 / ニューラルネットワーク / ネットワークインバージョン / 不良設定性 / 正則化法 / 分散電源 |
Research Abstract |
本研究は,複素ニューラルネットワークの1つの手法である複素ネットワークインバージョン法の定量的な枠組みの構築および,実際の問題への適用を目的としている, 本年度は,不良設定逆問題に対する正則化法を用いた複素ネットワークインバージョン法の効果の検証を中心に検討を行った.理論検証のための基本的な問題である複素写像逆推定や,実際の問題としての分散電源逆推定について,正則化法の効果を計算機シミュレーションによって示した.また,複素ニューラルネットワークの効果を確かめるために,実数型ネットワークインバージョンと複素ネットワークインバージョンのそれぞれに正則化法を加えて計算機シミュレーションを行い,結果の比較を行った.本年度はこれらの検討結果について学会発表を行った.今後,複素写像逆推定問題や分散電源逆推定問題に関し,解の存在性・一意性・安定性について不良設定性の生じる問題を設定して,その解決法と効果をまとめるとともに,実数型ニューラルネットワークとの比較の結果をまとめる予定である.また本年度は関連研究として,群ロボット制御への複素ニューラルネットワークの応用と,高次元ニューラルネットワークによる逆問題解法の検討を行った.これらは,複素ネットワークインバージョン法の応用範囲の拡大とともに,新たな手法への拡張につながるものと考えており,今後さらに検討を行う予定である. 以上のように,本年度は複素ネットワークインバージョン法による不良設定逆問題解法について検討を行い,さらに実数型ニューラルネットワークとの比較を行った.次年度はさらに検討を行い,成果をまとめて研究発表を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複素ネットワークインバージョン法の枠組みの確立という研究目的についてはおおむね順調に進展している.実際の問題への適用に関しては,信号処理問題への応用はやや遅れているものの,分散電源問題を対象とした検討ではおおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
実数型ネットワークとの比較をさらに進めることにより,複素ニューラルネットワークの効果をまとめる.また,不良設定性と正則化法の関係について,解の存在性・一意性・安定性の観点からの議論をまとめる.実際の問題への応用について,分散電源問題についてはこれまでの検討結果をまとめ,実際の信号処理については可能なところまで進める.これらの方策によって,複素ネットワークインバージョン法の有効性および適用限界を示す.
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