2011 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝的ネットワークプログラミングによる知識発見とその応用に関する研究
Project/Area Number |
21700261
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
間普 真吾 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (70434321)
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Keywords | 遺伝アルゴリズム / プログラム生成 / データマイニング |
Research Abstract |
本年度は、(1)遺伝的ネットワーク(GNP)の構造と学習アルゴリズムに関する研究と、(2)データマイニングによって抽出されるルールの中から重要なルールのみを選択し、データの分類精度の向上を図る研究を遂行し、その性能評価を行った。 (1)前年度までの研究で、テスト環境でのオンライン適応力にすぐれたGNP with Reinforcement Learningの性能評価を行い、移動ロボットのセンサ故障に対して、性能低下を低減し、継続稼働が可能な手法を提案してきた。本年度は、上記方式のさらなる改良を以下のように行った。 環境変化に対する適応後の行動ルールの信頼性を向上させるには、十分な探索を行う必要があるため、適応速度が遅くなる傾向があり、適応速度を上げると探索が十分に行われなくなるという問題があった。これを解決するために、二段階方式の強化学習を導入した新しい方式を検討した。これは、第一段階目で、限られた代替行動の中から行動選択をすることで素早く適応することができ、代替行動も機能しなければ第二段階目でより大きく行動系列を変更するものである。これを移動ロボットのベンチマークテストで実験を行ったところ、従来手法と比較して性能が向上することが明らかになった。 (2)GNPによるデータマイニング手法は、データベースから統計的有意な多くのルールを抽出することが可能であるが、それらを利用して新しいデータの分類を行う際、真に必要なルールを選択することで分類精度を向上させることが可能である。本手法は、ネットワークの不正アクセス検知システムへ応用し性能評価を行ったが、その過程で、検知率や正常アクセス誤認識率、不正アクセス誤認識率等を用いた指標に基づいて、必要なルールを選択する手法を提案し、分類精度が向上することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では、(1)問題解決のための有益な行動ルールを効率よく抽出する手法の開発、および(2)実世界の不確実性に適応できる信頼性のある意思決定システムを構築するためのアルゴリズムに関する研究を行ってきたが、それぞれの問題に対して、従来手法よりすぐれた性能をもつアルゴリズムの提案ができ、また様々なアプリケーションで性能検証を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでの遺伝的ネットワークプログラミング(GNP)の各種応用例について分析を行うとともに、さらなる信頼性向上のための研究を推進し、実用的進化論的計算手法としてのGNPの性能についてまとめていく予定である。具体的には(1)ネットワーク侵入検知システムの応用とさらなる改良に関する研究、(2)GNPのデータマイニングによる個人の嗜好分析に関する研究を推進する予定である。
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Research Products
(3 results)