2011 Fiscal Year Annual Research Report
インターネットコミュニティ利用時における安全な「名乗り」に関する研究
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21700279
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
折田 明子 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科, 特任講師 (20338239)
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Keywords | 匿名性 / アイデンティティ / プライバシー / ソーシャルメディア |
Research Abstract |
2011年度は、2010年度に引き続いてデータ分析を進めるとともに、個人に関する情報の集約とプライバシーという観点から「名乗り」に対しる考察を行った。また、グローバルに利用されるソーシャルメディア利用における「名乗り」の国際的な違いについても検討した。インターネットの利用に関して、日本では匿名志向、米国では実名志向と考えられてきた。これに対し、米国の州立大学の学生に対するヒアリングから、ソーシャル・ネットワーキングサービスでは実名を使うものの、いわゆる電子掲示板型のフォーラムでは、ニックネームの利用の方が一般的という見方もあるという知見を得た。この結果については、ケネソー州立大学の共同研究者とともに学会発表を行った。 また、プライバシーに関する文献の調査から、複数のサービスを連携させることにより、実名を名乗らなくとも情報の集約から実名にたどり着く可能性があることも見えてきた。プロフィールを書き、情報を集約させるソーシャル・ネットワーキングサービスに関して、どういった情報の発信から個人に関する情報が明らかになるのか、サービスの構造と利用者の行動から考察した結果、他者への言及や、発信「しない」という空白、実名を名乗る他者とのリンクが個人の特定やプライバシー侵害につながりうることが見えてきた。これらの考察は、解説論文に取りまとめている。 また、2010年度に行ったデータ分析の結果は、情報の集約と匿名性という観点からまとめた結果を、2012年秋に開催された国際会議で発表し、日本国内の大型掲示板の特性を実名制のソーシャル・ネットワーキングサイトと対比させることで、話しやすさと信頼の担保をどう設計するかという議論につながった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
23年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度が最終年度であるため、記入しない。
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