2011 Fiscal Year Annual Research Report
動的な話者適応性を考慮した統一的な音声知覚モデルの研究
Project/Area Number |
21700282
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 仁 東北工業大学, 工学部, 講師 (00436164)
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Keywords | 音声 / 認知モデル / 話者適応 / 知覚実験 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、人間の音声知覚過程の中で重要な役割を担う話者に対する動的な適応性の基本原理を解明することである。特に母音知覚のフォルマントモデルとスペクトル全体形状モデルに関して、一方だけでは説明できない現象が存在することに注目し、これらを統一した知覚モデルの構築することを目指した。平成22年度までに行った音声知覚実験により、音韻と個人性の知覚メカニズムが密接に関係していることが確認できた。また、このうち個人性の知覚に関しては、これまで報告されている文章や単語レベルの文脈だけでなく、直前に呈示された単母音の情報だけで高い精度が得られることを明らかにした。これらの結果は、本課題が作業仮説として採用したモデルの枠組みの妥当性を支持するが、一方で知覚に関係する特微量については被験者間のばらつきが大きく、実験結果から人間の一般的な知覚の性質を定量化するモデルを構築することは困難であった。その原因のひとつとして、フォルマント周波数やスペクトルの傾き等の音声の物理的得微量と聴覚心理特性との乖離があると考えられる。そこで聴覚特性に基づく新たな音声の特微抽出手法について検討し、多数の話者(成人男女632名)が発話した音声を対象とする分析実験を行った。その結果、聴覚末梢系で周波数チャンネルごとに分解された多次元の情報から、母音の知覚に対応する数次元の情報が、理論的には2段階のシナプス結合で実現できる可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)