2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700285
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
金野 武司 Japan Advanced Institute of Science and Technology, 知識科学研究科, 研究員 (50537058)
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Keywords | 認知科学 / 人工知能 / 認知ロボティクス / 共同注意 / 意図的主体性 |
Research Abstract |
研究初年度である21年度は,当初の計画通り人とロボットの視覚的なコミュニケーション実験を行なうための環境構築に注力し(1.),ロボットの反射的な行動と意図的な行動を見分けるための作業仮説を構築した(2.). 1. 実験環境の構築:既に構築済みであった数理モデルを実装するロボットとして,ステレオカメラとパン・チルトヘッドを組み合わせた視覚制御システムを構築し,人の顔やオブジェクトを認識する機能とその注視機能を実装した.ロボットには反射的な共同注視(人の視線方向にあるオブジェクトを反射的に見る行動)を実装し,人とのインタラクション実験が行なえることを確認した.これと同時に,人の視線を計測する装置(Tobii X120)を導入し,インタラクション中の人の視線とロボットの動作状態に関する定量的なデータが同時に取得・解析できることを確認した. 2. 作業仮説の構築:実験環境の構築とその予備実験を通じて分かったのは,反射的な行動の場合には互いの見るものが一致しすぎるために,逆に意図性のようなものを感じる余地がないということであった.このことから,人とロボットが見るものの一致度を尺度にすれば,100%に至らないところで人はより多くの意図性をロボットに見出すのではないかと考えた.この仮説を検証するための予備実験の立案とその環境構築を行なった. 以上の内容をインタラクション2010で発表したところ,人によってはデザインされたアルゴリズムにそもそも意図性を感じない場合があるという指摘を受けた.これを持ち帰り,指摘のような先入観を分離するための実験デザインを立案した.
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Research Products
(4 results)