2009 Fiscal Year Annual Research Report
脳波周波数解析によるヒトのあいまいな知覚状態の抽出
Project/Area Number |
21700286
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
南 哲人 Toyohashi University of Technology, エレクトロニクス先端融合研究センター, 特任准教授 (70415842)
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Keywords | EEG / BCI / 周波数解析 / 理解度 / ベータ帯 |
Research Abstract |
認知活動において、脳における局所的な活動だけでなく、それらの局所的な活動の全体的な統合、つまりグローバルな同期活動が重要とされている。しかし、これら豊富な認知情報を含んでいると考えられるグローバルな同期現象をBCI技術に適用しようとする研究はまだ少ない。そこで、本計画では、脳全体のグローバルな同期情報を用いた、新しいBCI技術の基礎開発を目指した。本研究では、ヒトがどのように視覚的情報を理解しているかの脳システムの理解と共に、ヒトの理解度を脳活動から抽出する技術の開発を目的として、被験者に、カラー画像を二値化したモノクロ画像を見せたときの、対象が何であるのか認知できず、あいまいな時の脳の状態(あいまいな脳状態)と、そめ後、答えであるカラー画像を見せて、同じモノクロ画像を見ているが、対象をはっきり認知出来た時の脳の状態(はっきりとした脳状態)を、測定が比較的簡便で、BCI技術などの工学的応用に適用しやすい脳波を用いて計測した。各特徴量での判別結果を比較したところ、パワーで精度良く判別できた。そこで高精度に判別できたパワーに対して、周波数帯域ごとに精度を比較すると、ベータ帯(14-29Hz)で判別精度が最も良くなった。その判別を行ったSVMの変換行列から更に判別に影響を与える部位と時間を調べると、刺激提示後100-500msの間の右側頭部で判別にあたえる影響が大きいことが分がった。右側頭部における100-500msベータ帯は認識時のイメージ処理に関連があるとされており、本研究における単一試行による推定は、神経科学的に考えても、妥当な推定であると考えられる。
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Research Products
(13 results)