2010 Fiscal Year Annual Research Report
脳波周波数解析によるヒトのあいまいな知覚状態の抽出
Project/Area Number |
21700286
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
南 哲人 豊橋技術科学大学, エレクトロニクス先端融合研究所, 特任准教授 (70415842)
|
Keywords | EEG / BCI / 周波数解析 / 理解度 / ベータ帯 / PDC |
Research Abstract |
認知活動において、脳における局所的な活動たけでなく、それらの局所的な活動の全体的な統合、つまりグローバルな同期活動が重要とされている。しかし、これら豊富な認知情報を含んでいると考えられるグローバルな同期現象をBCI技術に適用しようとする研究はまだ少ない。そこで、本計画では、脳全体のグローバルな同期情報を用いた、新しいBCI技術の基礎開発を目指した。本研究は単一試行に対する脳波(EEG)からある事物が隠れている二値化画像(隠し絵)を見たときの知覚状態を推定することを目的とする。6名の被験者に対して、ある事物を含む二値化画像とそのカラー画像を、二値化画像→カラー画像→二値化画像の順で呈示し、その二値化画像が呈示されている時にボタン押しによって、その画像内の事物を認識できたかを判断させた。その間、19チャンネルの電極でEEGを測定した。そのEEGをwavelet解析し、振幅情報と位相情報の特徴量を計算した。これらの特徴量を使い、認識性能の優れた学習モデルの一つであるサポートベクターマシン(SVM)を用いて認知状態の推定を行ったところ、入力として、ベータ帯のパワーを用いた時に、最も良い判別率が得られた。さらに、判別に用いたSVMの変換行列から時間的、空間的な分布を解析した結果、初めに頭頂部、頭頂側頭のアルファ帯で記憶との連想処理が行われ、その後前頭のベータ帯で記憶の呼び出しや記憶との対比処理が行われ、最後に右後頭側頭のガンマ帯で認識処理が行われるという時系列処理が示唆された。
|
Research Products
(6 results)