2009 Fiscal Year Annual Research Report
メタ認知と自動的および意識的抑制コントロールの関係に関する神経心理的検討
Project/Area Number |
21700298
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
矢野 円郁 Chukyo University, 心理学部, 助教 (10510414)
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Keywords | 抑制 / 認知リハビリテーション / サイモン効果 / ストループ効果 |
Research Abstract |
抑制機能に関する一般的な神経心理学検査では,色ストループ課題などの優勢反応の意識的抑制を調べる課題は含まれているが,自動的な抑制の指標は含まれていない.意識的抑制と自動的抑制を区別して評価することは,認知リハビリテーション方針の検討においても重要である.そこで,認知機能低下のみられる症例においても実施が容易な自動的抑制機能および意識的抑制コントロールを測定するための課題(サイモン課題,ネガティブ・プライミング課題)を作成し,まずは若年健常者および高齢健常者を対象にデータを収集し,抑制指標としての妥当性および自動的抑制指標と意識的抑制指標との関連性を検討した.その結果,サイモン課題における2つの指標(サイモン効果と系列効果)によって,両抑制機能を測定可能であることが示唆された.本課題は短時間で容易に実施可能であるため,さまざまな症例に適用することができ,臨床的利用可能性が高い.本研究結果は,日本心理学会(8月),日本高次脳機能障害学会(11月)にて報告した. 今後の研究では,健常者データを追加することによって,データの標準化を行い,高次脳機能障害者やアルツハイマー病患者などさまざまな症例群のデータを収集して健常者データと比較するとともに,抑制機能の低下した症例において,抑制機能を反復訓練によって改善することができるかどうか,さらに,抑制機能の改善によって病識の改善がみられるかどうかを検討する.
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Research Products
(3 results)