2009 Fiscal Year Annual Research Report
ブロック・リサンプリング法に基づく2群の平均の有意差検定法の開発とその応用
Project/Area Number |
21700301
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
櫻井 裕仁 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 助教 (00333625)
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Keywords | ブートストラップ法 / ブロック・リサンプリング法 / circular block bootstrap法 / 有意差検定 |
Research Abstract |
本研究では,2群のデータが縦断的データ(longitudinal data)として観測される場合に,それらの平均の有意差検定法の開発とその応用に関する研究を行うことを目的とする。ここで各群の母集団分布には,正規分布など特定の分布形の仮定を置かず,データの従属性を考慮したリサンプリング法の1つであるブロック・リサンプリング法を用いて推測を行う。本年度は,特にcircular block bootstrap法に焦点を当てて,対応のない2群の平均の有意差検定法の開発に関する研究を行った。ブートストラップ法を仮説検定の問題に適用する場合,我々が観測する(初期)標本は帰無仮説のもとで得られるものではないため,それに基づいて検定統計量の帰無仮説のもとでの分布を如何に近似するかが極めて重要な問題である。さらには,縦断的データを扱う場合,データ間の相関構造を如何に考慮するかも重要な問題である。本年度の研究成果として,以下の知見が得られた。まず,各群において平均系列を計算し,それを標本平均で中心化したものをcircular block bootstrap法と同様にしてブロックに分割する。次に,各群で得られたブロックの集合を混合し,それからの復元抽出により,上記の平均系列に対応するリサンプルを構成することを考える。このような2群に対応するリサンプルに基づき,検定統計量の分布の近似を行えば,ある程度上述した問題の解決が図られることが分かった。すなわち,いくつかの状況下で上述した方法に基づくp値のモンテカルロ近似値,およびそれから計算される検定のサイズ,検出力に関するシミュレーションを行い,その数値的な挙動を検討した結果,上述した方法によれば,名目上の検定のサイズを維持し,従来の方法と比較して検出力の高い検定法を構成できる場合のあることが分かった。
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Research Products
(1 results)