2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700305
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
石岡 文生 Okayama University, 大学院・法務研究科, 助教 (20510770)
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Keywords | 空間統計学 / ホットスポット / エシェロン解析 |
Research Abstract |
2009年度は、研究計画にあるように、(1)各手法の違いよるホットスポット検出結果の、より理論的な裏付けを行う、(2)時系列的な変化をも考慮した時空間データに対するホットスポット検出法を確立する、の2つを柱に研究を進めてきた。ここで言うホットスポットとは、統計的に有意な集積地域を意味する。 (1) について、近年、空間データに対しホットスポット検出のための各種の手法が確立されている。それらの利点・欠点等の指摘が論じられている一方、その理論的な裏付けはいまだ確立されていないのが現状である。本研究では、コンピュータによってランダムな値を付置した複数の空間データを作成し、我々の提唱しているエシェロンスキャンによるホットスポット検出法を適用した。何通りものデータを作成してシミュレーションを行う事により、我々の手法の特性を明らかにし、他の手法との差別化を明確にした。これらの成果を2009年度統計関連学会連合大会、科学研究費補助金による研究集会「時空間統計解析その理論と応用」、JKSC2010で報告した。今後は、さらに具体的なデータに対して正規分布等の分布を仮定したランダム値を付与することによって、そのデータの持つホットスポットの信頼性について言及したいと考える。 (2)について、解析対象のデータを、時間と空間の広がりの中で観測される時空間データに拡張し、そのデータにエシェロン解析を応用することで、従来の手法では困難であったホットスポットの時系列的な移動、分割、融合、吸収などの推移を明らかにした。さらに、それらの結果をArcGISソフトによって視覚的に表現させた。これらの成果を日本計算機統計学会第23回大会、2009年度新領域融合プロジェクト研究による研究会「大規模データ・リンケージ,データマイニングと統計手法」、計算機統計学和文誌(採択済み・2010年度掲載予定)で報告した。今後も、さらに適用可能なデータを収集し、我々の手法を適用して行く事が望まれる。
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