2009 Fiscal Year Annual Research Report
経時離散データにおける線形な変化係数の推測に関する研究
Project/Area Number |
21700306
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐藤 健一 Hiroshima University, 原爆放射線医科学研究所, 講師 (30284219)
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Keywords | 離散データ / 経時測定データ / 成長曲線モデル / ロジスティック回帰 / 一般化線形モデル / 一般化推定方程式 / 変化係数 / 信頼区間 |
Research Abstract |
連続変量を目的変数とする成長曲線モデルのもとで開発された、Satoh and Yanagihara (2008, Hiroshima Statistical Research Group, TR 08-08)の変化係数の推定・検定方法を経時離散データに拡張することを考え、一般化線形モデルのもとで定式化し、推定・検定法を開発した。平成21年度は、特に理論および手法の開発に関する研究を行った。最も重要な信頼区間の構成はRao(1973)によるCauchy-Schwarzの不等式を利用することで、時間に依存しない形で評価できるようになった。しかしながら、この不等式は保守的な信頼区間になることが予想され、実際の有意水準との間に乖離が存在する可能性があった。そこで、この乖離を数値実験的に評価することを試みた。これらの結果は、佐藤健一,柳原宏和,加茂憲一(2009)離散分布の経時測定データにおける線形な変化係数の推測について,応用統計学,38-1,にまとめ報告した。この論文では、経時的に測定された二値データとして記述できる新薬の薬効評価データを解析例として示しており、従来、エンドポインにおいて標準薬との比較をされるだけであった薬効評価を、途中経過を含めた全観測時点でのデータを利用して行っており、経時的に変化するオッズ比として評価できた。このような経時離散データに対する解析は平滑化を利用して従来も行われていたが、提案手法は線形の範囲で行うことができ、一般的な統計解析ソフトウェアでも実装可能である。また、Cauchy-Schwarzの不等式を利用することで、従来、難しいとされていた時間の関数としての信頼区間および有意性を評価することができた。
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Research Products
(4 results)