2012 Fiscal Year Annual Research Report
損失関数の対称性の破れが推定方式の許容性に与える影響について
Project/Area Number |
21700309
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
田中 秀和 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 准教授 (50302344)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 2次漸近許容性 / 形状母数 / ガンマ分布 / 最尤尺度不変推定量 |
Research Abstract |
ガンマ分布の形状母数の推定問題は基礎的な問題でありながら, その特性から数値実験が主な研究手段であり, 理論的な研究はあまりされてこなかった. 最近, Zaigraev and Podraza-Karakulska (2008) は1つの尺度母数が局外母数であり, 1つの形状母数が興味ある母数の場合に, 最尤尺度不変推定量を提案し, これは最尤推定量よりも偏りと分散を小さくするという意味で最尤推定量よりも良い推定量だと主張した. また, Takagi (2012) は漸近的な立場から最尤推定量と最尤尺度不変推定量の許容性, つまり2次漸近許容性について調べ, 両者とも非許容的であることを示した. Takagi (2012) は同時に線形偏り修正最尤推定量の2次漸近許容性についても調べ, 適切な偏り補正を施すことによって最尤推定量は2次漸近許容的となることを示した. そこで, 本年度は2つの尺度母数が局外母数の場合に, 2つの形状母数の推定問題を漸近的な立場から考察した. まず, 最尤推定量と最尤尺度不変推定量の2次漸近許容性について調べ, 何れの推定量も2次漸近非許容的であることを示した. つぎに, 線形偏り修正最尤推定量と線形偏り修正最尤尺度不変推定量の2次漸近許容性について調べた. その結果, 適切な偏り修正を施すことによって両者は2次漸近許容的となることを示した. なお, 偏り修正の係数を動かしたとき, 線形偏り修正最尤推定量よりも線形偏り修正最尤尺度不変推定量の方が2次漸近許容的となる状況が多いということも示された. このことは最尤推定量よりも最尤尺度不変推定量の方が偏りと分散を小さくするという意味で良い推定量だという事実に即しているものだと思われる.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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