2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700322
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
関 安孝 Nagaoka University of Technology, 工学部, 助教 (30377220)
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Keywords | 天然解鎖蛋白質 / 溶液X線散乱法 / 分子シミュレーション |
Research Abstract |
解鎖蛋白質の構造的特徴を解析することは,それが膨大な数の構造の集団であるので,既存の構造解析法では困難である。そこで我々は,主鎖2面角確率分布を仮定したランダムコイル鎖の分子モデリング法を開発した。この分子モデリング法は,ペプチド鎖の広い構造空間の探索が可能である。更にこの方法は,主鎖2面角確率分布などの局所的な構造情報と平均二乗半径(R_<sq>)や溶液X線散乱(SXS)プロフィルなど大局的な構造情報の関係を解析することができる。我々はこのモデリング法とSXS法を使って,天然解鎖蛋白質の1つである,カイコ由来フィプロイン転写因子(FMBP1)のDNA結合部位(STPR)ペプチドの水溶液中の構造を解析した。STPRは安定な短いα-helixを4つ有していることが多次元NMR法によって解明された。本研究において,我々は短いα-helixとランダムコイル鎖が4回交互に繰り返した構造モデルを構築した。我々は構造モデルの計算SXSプロフィルと実測SXSプロフィルを比較し,実測を定量的に再現するモデル構造集団の特徴を明らかにした。その特徴の1つは,STPRのランダムコイル鎖部分の主鎖2面角頻度分布は,天然結晶構造におけるcoil部分と同等であることである。更に,実験SXSプロフィルを定量的に再現するには,ランダム構造の集合に対し溶媒露出表面積に比例する溶媒ポテンシャルを考慮して平均することが必要である。STPRのこの様な構造的な特徴は,一般的な球状蛋白質の完全解鎖状態とは違うことが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)