2009 Fiscal Year Annual Research Report
二分グラフによる転写調節ネットワークの数理モデル化
Project/Area Number |
21700327
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Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
ホセ ナチェル Future University-Hakodate, システム情報科学部, 准教授 (60452984)
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Keywords | 生体生命システム情報学 / 複雑ネットワーク科学 / 転写調節ネットワーク / 数理モデル / データ分析 |
Research Abstract |
我々はncRNA相互作用を含む転写調節ネットワークの形成および進化のモデル構築に焦点を当てる。この種類のネットワークは、転写因子TFsをコードするオペロンとその標的遺伝子のmRNAの二種類の頂点を組み合わせた二部グラフとなっている。我々は生物学的な複雑ネットワークの中で観察される、次数分布からモチーフのような局所的相互用パターンまで、大域的、局所的な統計的特微を再現する、新しい二部グラフによる成長の数理モデルを発展させることを目的とする。 21年度に、我々は転写因子-遺伝子相互作用およびncRNA-タンパク質相互作用のデータを収集し、これらのデータをもとに制御ネットワークを構築しました。特に、私たちはヒトを含む6種のモデル生物それぞれについて、ncRNAタンパク質相互作用ネットワークを構築しました。 このncRNAタンパク質相互作用ネットワークは、大域的なネットワーク分析によって、次数分布について転写調節ネットワークと高い類似度があることを明らかにしました。また、これらのネットワークの局所的な相互作用構造を豊富なモチーフに基づいて特徴付けすることで、ncRNAタンパク質ネットワークと転写因子-遺伝子調節ネットワークの間のいくつかの重要な類似性を明らかにしました。 さらにまた、我々はいくつかの遺伝子のメカニズムを含む、二部グラフに基づく数学的なモデルを提案することができました。我々め調査結果は、ncRNAを介する転写調節に対しての洞察を提供し、またその構造と進化のメカニズムについてめ知識を提供します。転写因子-遺伝子ネットワークが制御関係にあるように、ncRNA-タンパク質の相互作用も、それに類似した制御関係を示すかもしれないという可能性を調査しています。
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