2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700328
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
舟橋 啓 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (70324548)
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Keywords | システムバイオロジー / 生化学ネットワーク / 生化学シミュレータ / 確率モデルシミュレーション / 生体生命情報学 |
Research Abstract |
生命現象を司る動作メカニズムの理解には、対象とする生命現象に関わる分子の特定、及びそのダイナミクスを理解する必要がある。一般的にダイナミクスは遺伝子制御、シグナル伝達、代謝等、分子間反応として表現され、ダイナミクスの特性の記述には反応方程式が用いられる。反応方程式の記述は大別して(1)分子濃度を記述した常微分方程式、(2)分子濃度の空間的分布を記述した偏微分方程式、(3)分子数のゆらぎを考慮した確率モデルに大別される。 本年度は、空間的分布のシミュレーションを行う偏微分方程式ベースのシミュレーションに対応するため、SBMLにて空間モデルの記述が可能となる仕様拡張を進めた。国際標準化として進められている空間モデル記述言語の仕様策定と並行し、上記仕様拡張が行われたSBMLをプログラム上から扱えるためのAPI群を実装し、ライブラリを構築した。これにより、SBMLの空間モデル拡張が行われたSBMLファイルをプログラムから扱えるようになった。更に、上記ライブラリを利用して、空間モデルのシミュレーションエンジンの実装を行った。本シミュレーションエンジンは、反応拡散方程式、移流方程式など、分子の空間的な偏りを表現したモデルのシミュレーションを行うことができる。具体的には、偏微分方程式を有限区画法を用いて離散化し、時間積分には4次のルンゲ・クッタ法を用いた。今後は上記シミュレーションエンジンのCellDesignerへの組み込み、ライブラリの拡張を行う予定である。
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Research Products
(7 results)