2012 Fiscal Year Annual Research Report
フラグメント分子軌道計算による糖鎖結合性生体高分子の分子認識解析
Project/Area Number |
21700333
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
合田 祥子(日向寺祥子) 東海大学, 情報教育センター, 講師 (70317824)
|
Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | フラグメント分子軌道法 / 分子認識 / 糖鎖 / 分子間相互作用 |
Research Abstract |
本研究では、生体分子機能解析に対する量子化学シミュレーションへの期待や、シミュレーションの新薬開発への応用への期待などを背景とし、新薬デザインに有用な情報を取得することを目的とした、生体高分子間分子認識に関する量子化学計算に取り組んでいる。具体的には、タンパク質とそれに認識される分子間の相互作用に対する精密な計算を、フラグメント分子軌道法(FMO法)を用いて行い、各アミノ酸残基の分子認識への寄与、分子認識における微弱ながら重要な役割を果たす相互作用因子を解析している。また、これら解析に必要となる立体構造未知タンパク質のモデリングおよび認識分子との複合体構造予測も行っている。 平成24年度には、前年度までに得られた知見をもとに、糖構造と糖認識タンパク質(抗体)との相互作用について、フラグメント分子軌道法を用いて計算した。 糖構造および抗体の糖認識部位はどちらも自由度が高いため、各分子および複合体のモデリングが困難であったが、前年度までに絞り込んだ適当な構造を用いての高精度計算を実施することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究実施内容として計画した項目はほぼ遂行できた。ただし、結合部位ポケット内に位置する原子の座標については、比較的低コストの量子化学計算によって構造を最適化する予定であったが、用いる計算手法を古典力学に基づくものに変更した。
|
Strategy for Future Research Activity |
糖構造および糖結合性生体高分子は構造自由度が高く、さらに計算の実績も少ないため、高精度計算が難しいとして、異なる分子系での計算実績を積み上げてきたが、平成24年度に糖構造および糖結合性生体高分子を対象とした計算を実施し、一定の結果を得ることができたため、今後はさらに結果の検証、計算の高精度化を行いたい。
|