2010 Fiscal Year Annual Research Report
神経活動データから構築した機能的神経回路によるシナプス回路の構造的特徴の推定
Project/Area Number |
21700334
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
北野 勝則 立命館大学, 情報理工学部, 准教授 (90368001)
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Keywords | 神経回路 / 数理モデル / シミュレーション |
Research Abstract |
近年急速に進歩しているイメージング技術により、局所回路レベルの神経活動の計測が可能になっているが、そのデータからどのような情報が抽出でき、またどのように解析すべきか、については様々な議論がある。そうした課題に対する一つの試みとして、大脳皮質神経回路を模した数理モデルのシミュレーションにより得られた神経活動データを用い、ニューロンペアの活動からそのペア間のシナプス結合の有無について推定可能かについて解析した。 本年度は前年度の結果を受け、スパイク頻度のばらつきに影響されないとされる情報幾何の手法を用い、スパイク活動から求めたニューロンペアのスパイク相関を機能的結合と定義し、その機能的結合とモデル神経回路のシナプス結合との関係性について解析を行った。前年度に用いていたシミュレーションによるスパイクデータでは、統計の信頼性を確保するに十分なデータ量でないため、実際の実験と比較しうるデータ量を得るための大規模計算機実験を行った。この新たに得られたデータに対し、情報幾何の方法を用いて、双方向結合を有するニューロンペアの推定精度を評価した。まだ実用レベルには達しないものの、その可能性を示唆した。また、モデル神経活動の生成に用いる背景ノイズの性質にも結果が大きく依存するため、生物学的に妥当なノイズ生成方法についても研究を行った。
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