2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700336
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Research Institution | Oshima National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
北風 裕教 大島商船高等専門学校, 商船学科, 講師 (70342558)
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Keywords | 生体生命情報学 / 生物・生体工学 / 癌 / 医療・福祉 |
Research Abstract |
がん細胞の分類は治療方法を決定する点で重要と考えられており、現在では病理部門において顕微鏡を用いた形態学的特徴による目視の判定が行われていた。しかしこの分類法では、分類できない分子の存在があり、目視による検査の限界があった。がんの発生は遺伝子の異常やその産物となる分子の異常であるから、がんを分子レベルで分類できる手法があればより正確ながんの分類が可能になり、医師が納得できる表現で可視化ができれば、有効な治療方法の決定につながる。 本年度は、セルアレイから同時取得される遺伝子産物の細胞内分布データを、分子レベルで特徴化・分類できる手法を提案し、一連の情報処理システムの開発を行った。これは、細胞サイズに加え、細胞内のタンパク質分布を、濃度と凝集度(細胞内分布情報)を基準としてパターン化し、がん細胞を分類する手法である。開発したシステムは分類データベース部、可視化支援部、分類比較部から構成され、レーザスキャニングサイトメータ(LSC)から収集したデータを統合して取り扱えるようになり、Webを介して遠隔地における診断を可能にした。また、可視化部において医師が直感的に細胞内分布情報を把握できる模式化を行ったことが情報圧縮につながった。さらに、分類表を作成する事ができ、各がん細胞とタンパク質の比較表を作成でき、この比較表を用いて分類を可能にした。 その結果、同種のがん細胞においてもタンパク質の違いで分類できる可能性を示すことができ、その特徴量を明確にするとともに、医師による医療判断への支援を行うことを可能にした。
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