2009 Fiscal Year Annual Research Report
大脳皮質の層特異的回路網構築における神経活動の役割
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21700350
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田川 義晃 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 助教 (50303813)
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Keywords | 大脳皮質 / 神経回路形成 / 神経活動 / 発逹 / 脳梁 / マウス / 電気穿孔法 / GFP |
Research Abstract |
本研究は、大脳皮質の代表的な長距離軸索投射である脳梁軸索をモデルとして用いて、その層特異的軸索投射形成にどのようなパターンの神経活動が必要かを明らかにすることをめざしている。本年は、脳梁投射細胞の神経活動を任意に操作する技術を確立した。具体的には、神経活動のレベル・パターンを操作する分子ツール(Kir2.1チャネル、GluClチャネル、チャネルロドプシン、ハロロドプシン等)を用いることにより、発達過程の脳梁投射細胞の神経活動を抑制する技術、任意のパターンの神経活動を誘導する技術を確立した。また、チャネルロドプシンを脳梁投射細胞に発現させた生後1~2週マウスの脳に、LEDで473nmの光照射を1~2日継続しておこなう技術を確立した。子宮内電気穿孔法によってKir2.1チャネルを脳梁投射細胞に発現させ、回路形成期の神経活動を抑制すると、生後15日齢でみられる層特異的な脳梁軸索投射形成が阻害される。チャネルロドプシン・光刺激によって10Hzの神経活動を36時間(生後14-15日)人工的に誘導すると、Kir2.1による脳梁軸索の形成障害を有意に回復させることができることを見いだした。10Hzの神経活動は生後1~2週の大脳皮質で優位にみられる神経活動パターンであり、軸索投射などの神経回路発達に重要な役割を担う可能性を示唆する。一方、現時点では、層特異的な軸索投射パターンを完全に回復するまでには至っていない。今後さらに研究を進め、他のパターンの神経活動でどの程度の回復が見られるか、どの時期にどの程度の期間光刺激をすると障害された軸索投射の回復が見られるかを明らかにし、回路発達に有効な刺激パターンを明らかにすることをめざす。
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Research Products
(4 results)