2009 Fiscal Year Annual Research Report
大脳基底核-大脳皮質ループ回路が神経振動子を制御する歩行障害モデルの構築
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21700353
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡本 剛 Kyushu University, デジタルメディシン・イニシアティブ, 准教授 (90432913)
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Keywords | 歩行モデル / 大脳基底核 / パーキンソン病 |
Research Abstract |
本研究の目的は、大脳基底核-大脳皮質ループ回路によってcentral pattern generator (CPG)を制御する歩行モデルを構築し、健常者およびPD患者の歩行の実データを再現することである。これにより、従来のCPGモデルでは解明できなかったパーキンソン病(PD)患者の歩行制御異常について明らかにすることを目指している。 平成21年度の実施計画は次の通りである。1、歩行に関するモーションキャプチャの三次元動作データから、各関節の座標および関節角の時間変化などを求め、それを健常者(若年、老年)およびPD患者ごとに比較し、各被験者群を特徴付ける指標を求める。2、これを、既に解析してある足圧分布や筋電図に関する指標とあわせ、CPGモデルが再現すべきデータを決定する。3、このデータを元に、CPGモデルを構築する。 平成21年度は、まず1のモーションキャプチャデータの解析に取り組んだ。本研究で解析する歩行データは、「病を知るディジタルヒューマン」研究開発-医学応用のためのコンテンツ作り-(H16~H18,基盤研究A)により計測されたものであるが、既に解析したフォースプレートや筋電図のデータとは異なり、モーションキャプチャのデータは扱い易い形式で記録されていなかったことが判明した。そのため、モーションキャプチャデータから各関節の座標を抽出し、関節角を計算するために最適な解析環境を構築するのに時間がかかってしまい、成果発表ができるまでは解析が進まなかった。しかし、現在はようやく環境が整ったため、解析が進みつつある。2は1の結果を必要とするため実施できなかったが、3のモデルについては試作を行った。来年度はデータ解析を進め、それを再現するためにモデルパラメータ等の最適化を行う予定である。
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