2010 Fiscal Year Annual Research Report
大脳基底核-大脳皮質ループ回路が神経振動子を制御する歩行障害モデルの構築
Project/Area Number |
21700353
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡本 剛 九州大学, 医学研究院, 准教授 (90432913)
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Keywords | 歩行モデル / 大脳基底核 / パーキンソン病 |
Research Abstract |
従来の歩行モデル研究は、安定した二足歩行の実現を目的とし、脊髄レベルで歩行パターンを生成するCentral pattern generator (CPG)モデルを発展させてきた。本研究の目的は、大脳基底核-大脳皮質ループ回路によってCPGを制御する歩行モデルを構築し、健常者およびパーキンソン病(Parkinson's Disease, PD)患者の歩行の実データを再現することである。これにより、PD患者の歩行制御異常のメカニズムに迫るモデルを構築することができる。 研究実施計画に基づき、平成22年度は主にモーションキャプチャデータの解析を遂行した。まだ全ての被験者のデータが解析できたわけではないが、モーションキャプチャデータから関節座標および関節角を計算して歩行を特徴付ける指標をいくつか作成した。データ解析の成果は、研究会で発表した。また、現在関連する論文を投稿中である。 さらに、先行研究(Taga 1995, Biol Cybern 73:97-111など)を参考にして、関節や体要素ごとにx座標、y座標、関節角θに関する運動方程式を立て、神経振動子を用いたCPGモデルを構築した。現在は、筋骨格系の生理学に基づく拘束条件を設定し、神経振動子を組み込んでリズムを発生させて歩行させるためにモデルを改良している途中である。今後は、計測した実データを再現するように各パラメータを調整し、大脳基底核-大脳皮質ループ回路でCPGを制御するためのモデルを構築する。
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Research Products
(1 results)